未成年者の単独受診について

「未成年がひとりで(親に内緒で)睡眠外来を受診することはできますか?」という質問をいただくことがあります。

診断が確定するまで親バレしたくない、毒親で病院に行かせてくれない、「眠いのは怠け」と決めつけ、保護者が過眠症という病気の存在を信じてくれないなど、さまざまなケースがあると思います。

医療の性質上、健康や命に大きな影響を及ぼす可能性がある判断(服薬、検査、副作用等)を患者さんに求めることがありますが、法律上、未成年者単独では完全な判断能力が認められていません

そのため、多くの病院では、18歳未満の未成年者が受診を希望する場合について、独自の院内基準を設けています。受診したい病院に直接お問い合わせください。

判断基準の目安は、下記の通りです。

  • 15歳未満の方は、保護者の同伴が必要です。
  • 15歳以上18歳未満の方は、保護者の同意書が必要です。
  • 16歳以上の方で、すでに就労しており、本人名義の保険証を所持している方は、十分な理解判断能力があると考え、成人と同じ扱い
  • 医療を受けるかどうかの判断は、原則として、本人の人格権を尊重しますが、内因性疾患(例:統合失調症など)の病状により影響を受けていると考えられる場合は、保護者の意見を優先する場合があります。

未成年者の医療についての規定は、現行法では未整備です。現状では、親権者の同意ない診察は行わない医師がほとんどです。

「小児」とは具体的に何歳から何歳までを言いますか?

児童福祉法では、

  • 乳児 満1歳に満たない者
  • 幼児 満1歳から小学校就学期に達するもの
  • 児童 小学校入学期から満18歳までのもの

と定義されています。学説によると、小児とは、出生から思春期までをいい、女児では14-5歳、男児では16-7歳までになります。

医療法に規定する「小児」とは、通常小児科において診療を受ける者をいうのであって、具体的に何歳から何歳までと限定することは困難です。

小児科によって、高校生OKだったり、中学生NGだったり、判断基準はさまざまです。受診したい病院に直接お問い合わせください。

国民健康保険では、年に1回、医療機関を受診した世帯全員の医療費の総額が示してある「医療費通知」を世帯主宛にお送りします(世帯の中に受診者がいなければ送付されません)。

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引用文献

医療法施行規則第十六条に関する疑義について〔「小児」の範囲〕(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0783&dataType=1&pageNo=1

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