患者会活動の三本柱

勉強

病気について、最低限の知識をもとう。

ときどき、「ナルコ【プレ】シー」や「【突発性】過眠症」などと、自分の病名を間違って覚えている患者さんがいます。なにも難しい医学論文を読み漁る必要はありません。基本的な知識を身につけましょう。

症状や困り感は人によって違います。これこれはこういう病気、という正しい定義に拘るのではなく、自分の場合はどうなのか、という自分自身の現実と向き合うことが大切です。

薬も、何という薬を何のために飲んでいて、どういう副作用があるか程度は把握しておきましょう。

病気や薬の特徴を知れば、社会生活を送るうえで、自分がしても大丈夫なこと、避けた方が良いことを整理して考えられるようになり、前向きに将来設計する手がかりになります。

病気や薬について知り、主治医と協力して病気を治していこう、という考え方が重要です。

患者会とは、そのための医療講演会や勉強会を開いたり、会員同士の情報交換をしたりする場所です。

交流

支え合える仲間を作ろう。

一人で病気と闘っていくのは不安で心細いものです。多くの患者会は「仲間同士励まし合おう」という切実な思いで結成されてきました。

学校にも通えず、仕事もできず、同じ病気の人と出会ったこともないと、自分だけが不幸だと悲観しがちです。

そんなとき慰め合ったり、励まし合ったり、助けとなる情報を交換し合ったりする場が患者会です。

希少疾患は情報が少ないため、初めてネットで出会った人にあれこれ教わると「私はこの方に救われた」と盲信してしまう危険があります。あやしげな団体設立に勧誘したり、民間療法を勧めてくる素人には要注意です。人は孤立し心が弱っていると、強い言葉で断定してくれる人や、甘い言葉で共感してくれる親密な人間関係を求めます。

しかし、目の前にいる家族や友人との関係を良好に保つこと、主治医との信頼関係を築くこと、現実の治療生活が第一優先であることを、どうか忘れないでください。

SNSや病気の啓発活動に傾倒して、人生を疎かにしては本末転倒です。患者交流は、現実生活をより良く生きるための活力となるものでなくてはいけません。

啓発

闘病経験を未来に活かそう。

睡眠障害といえば不眠症が有名ですが、過眠症は知名度が低いため、患者の自称・造語だと思われ、そんな病名は無いですよ、と否定されてしまうことさえあります。

過眠症患者に共通する主な症状は、日中の過度の眠気と繰り返す居眠りです。居眠りを理由に、学校で先生に怒られたり、仕事をクビになったり、とかく患者はペナルティを課されがちです。

過眠症の居眠りは、自己管理不足や怠け心からくるものではなく、睡眠発作という症状であるということが、世間に全く認知されていません。

もしこれが心臓発作や失神発作なら、「発作をやめなさい、失礼だ、出て行きなさい」などと怒り出す人はいません。こと睡眠発作に関しては、患者が軽蔑の対象となりがちです。そういう社会の偏見を変えていかねばなりません。

しかし、一人一人には小さな力しかありません。だからこそ、私たち患者は集まって「患者会」となり、過眠症のことを多くの人に知ってもらうために、声を上げているのです。そのために、最も理解を得やすい方法は、私たちが自分自身の経験してきたことを、具体的に伝えることです。あなたは、過眠症で、どんなつらい経験をしましたか。どんな不便がありますか。社会が、どう変わったら良いと思いますか。どうか声を上げて教えてください。

患者会が訴え続けなければ、過眠症という眠ってしまう病気があることも、通院の大変さも、学校や仕事上の悩みも、完治する薬がないことも、家族の苦労も、年金や障害者手帳をもらえないことも、誰にもわかってもらえません。

私たちは、自分自身の経験を糧として、二度と同じ苦しみを味わう人が出ないように願って活動しなければなりません。そのために発信し続けること、知ってもらうこと、それが患者会の果たす社会的役割だと思っています。



過眠症患者会では、毎週土曜日、なか区民活動センターのミーティングエリアで、睡眠障害の勉強会・交流会・啓発企画会議を開催しています(※事前申込制)。お近くの方は、ぜひご参加ください。

患者会の取り組み・三位一体

患者当事者さまへ

診断を受けた方も、これから受けられる方も。

ご家族さまへ

家族も患者の一員です。

医療従事者の方へ

睡眠科の医師にかかわらず、医療に携わるすべての方へ。