私は特発性過眠症?ナルコレプシー2型?

自分が特発性過眠症なのかナルコレプシー2型なのかわからない、という質問が多く寄せられます。睡眠検査の結果、 同一の患者でも、特発性過眠症とナルコレプシー2型の診断が交互に出ることが多いため、実は睡眠専門医もこの判断に迷っています。過眠症を対象にした睡眠研究の分野では、異なるタイプの過眠症を区別するためのより信頼性の高い方法を模索しています。

昨今では、MSLTにおけるSOREMPの回数が、特発性過眠症とナルコレプシー2型の診断を区別する主な要因とされています。残念ながら、SOREMPの回数は多くの人で安定しておらず、診断を区別するための指標としては、信頼性の低いものとなっています。一部の特発性過眠症が、ナルコレプシー2型と臨床的に区別できないことを示すエビデンスが増えていることから、過眠症を異なる診断に分類する方法を見直すことが議論の対象となっています。

最近の論文「To split or to lump? Classifying the central disorders of hypersomnolence(分けるか、まとめるか?中枢性過眠症の分類について)」では、世界的な過眠症の臨床研究者チームが、ナルコレプシー2型と「長時間睡眠を伴わない特発性過眠症」を「ナルコレプシー・スペクトラム障害」という一つの診断カテゴリにまとめることを提案しています。ナルコレプシー1型と「長時間睡眠を伴う特発性過眠症」は、それぞれ別の診断名のままとなります。※この提案の詳細と、分類変更を支持するエビデンスについてはこちら(全文無料)

この説が実現するには、新しい診断基準が、睡眠障害国際分類の次の版(ICSD-4)で採用される必要があります。現時点では、将来の版の発行予定日は決まっていません。診断基準の変更が採択されるまでには、更なる研究や多くの議論が必要です。

現在、私たち過眠症患者が、一貫性のない診断に不満を抱いていることは、医者や研究者の間ではきちんと認識されており、この問題の解決策を見つけようと、日々試行錯誤されていますので、ご安心ください。

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