分類の概要
分類
睡眠障害国際分類(ICSD-1)制定は、本来診断学および疫学上の目的によるものでした。すなわち睡眠障害をコードにより分類し有病率ならびに死亡率などの情報の記録検索を可能にすることでした。睡眠覚醒障害の鑑別診断リストの供給が目的ではありません。鑑別診断リストは3つの主要な睡眠症状すなわち①不眠、②過度の眠気あるいは③睡眠中の異常な出来事、のいずれかを呈する患者の診断の一助となるでしょう。
ICSDは心血管系とか呼吸器系などの器官系を侵す障害については、ICD-9-CM分類と一貫性をもたせてあります。ICD-9との整合性を保つ目的で、ICSDでは睡眠異常および睡眠時随伴症のほとんどにおいてICD-10の他の分野のコード番号を有しません。
ICSDは以下の4つのカテゴリから成ります。第1カテゴリは、睡眠異常すなわち睡眠開始と維持の障害および眠気過剰障害。第2カテゴリは睡眠時随伴症で、不眠や過度の眠気などの訴えの原因には本来ならない障害です。第3カテゴリは、内科的もしくは精神科的障害に関連した障害です。第4カテゴリは、提案検討中の睡眠障害で、明確な睡眠障害としてその存在を確認するには情報が不十分なものです。A軸にリストアップされたICSDの全障害について解説文がつけられています。
1.睡眠異常
A.内在因性睡眠障害
B.外在因性睡眠障害
C.概日リズム睡眠障害
2.睡眠時随伴症
A.覚醒障害
B.睡眠覚醒移行障害
C.通常レム睡眠に伴う睡眠時随伴症
D.その他の睡眠時随伴症
3.内科/精神科的睡眠障害
A.精神障害に伴うもの
B.神経疾患に伴うものお
C.その他の内科的疾患に伴うもの
4.提案検討中の睡眠障害
出典
- アメリカ睡眠障害連合会 診断分類操作委員会.睡眠障害国際分類 診断とコードの手引き.日本睡眠学会診断分類委員会.,仙台市,笹氣出版印刷株式会社,1994年,276,.