モダフィニル/アルモダフィニル - 避妊と妊娠

過眠症患者会

こちらは、海外の過眠症団体「Hypersomnolence Australia」さんが公開している資料を、日本語で紹介したものです。国内の医療事情とは異なる場合があります。全文・原文は原著をご覧ください。

※モダフィニル/アルモダフィニルとは、モディオダールのことです。

Modafinil/Armodafinil - Birth Control and Pregnancy

モダフィニル/アルモダフィニルとは?

モダフィニル(商品名モダビジルまたはプロビジル)およびその誘導体アルモダフィニル(別名ヌビジル)は、覚醒を促進する薬物です。ナルコレプシー、特発性過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害に伴う過度の眠気を軽減するために処方されます。また、交代勤務の方や、多発性硬化症など、他の疾患における疲労に対抗するために処方されることもあります。モダフィニル/アルモダフィニルがどのように覚醒を促進するのかは、実はよくわかっていません。覚醒を促進する脳内の化学物質に影響を与えるようですが、その正確なメカニズムは不明です。これらの薬には、数多くの副作用があります。副作用については、TGAの製品情報をご覧ください。また、消費者向け情報リーフレット「Modafinil or Armodafinil」にも記載されています。この記事では、特に「モダフィニル/アルモダフィニルと避妊・妊娠」について取り上げます。モダフィニルやアルモダフィニルと一緒に、経口避妊薬(ピル)、避妊パッチ、避妊インプラントなどの避妊薬を併用すると、避妊に失敗する可能性があることを知らない女性が多数います。さらに憂慮すべきは、この事実を知らない医師の数です。

避妊薬との併用に注意

モダフィニル/アルモダフィニルは、肝臓にある特定の酵素に分解され、尿中に排出されます。モダフィニル/アルモダフィニルを体外に排出する役割を担うのと同じ酵素は、経口避妊薬(ピル)も分解してしまいます。研究によると、モダフィニルまたはアルモダフィニルのどちらかを経口避妊薬(ピル)と一緒に服用した場合、経口避妊薬の血中濃度が全体で18%低下し、避妊効果が著しく低くなる可能性があります[1]モダフィニル/アルモダフィニルを服用中および中止後1ヶ月間は、コンドームなど、別の避妊方法と組み合わせることをお勧めします。

胎児への影響について

すべての動物実験ではありませんが、いくつかの動物実験では胚毒性作用が観察されています。安全性を確立するための妊婦を対象とした十分な臨床試験が行われたことはありませんが、以下は女性健康研究会(The Society for Women’s Health Research)からの引用です。

「多くの薬と同様に、モダフィニル(およびアルモダフィニル)は、胎児危険度分類:カテゴリーCです。これは、動物実験で胎児への悪影響が示されているが、妊婦での適切な対照試験が行われていないことを意味します。しかし、潜在的な有益性は、潜在的な有害性にもかかわらず、妊娠中の女性における薬剤の使用を正当化する可能性があります[2]。したがって、医療従事者とモダフィニル(またはアルモダフィニル)を服用している女性の双方にとって、服薬中は予定外の妊娠を避け、ベネフィットがリスクを上回る場合にのみ治療を継続することを、十分な情報に基づいて選択することが重要です。」


テバファーマスーティカル株式会社は、アメリカで実施されたヌビジル/プロビジル(モダフィニル)妊娠登録の2018年年次報告の結果を報告しました。下記の更新情報をご参照ください。

モダフィニルと母乳育児

2018年12月25日更新

2018年12月のJournal of Clinical Sleep Medicineに、母体から乳児へのモダフィニルの母乳経由の移行が顕著でなかった事例が掲載されました。「乳児の相対投与量は5.3%と算出され、母乳を介した薬物通過が懸念される閾値を下回った」詳しくはこちらをご覧ください。

論文要旨
思春期に特発性過眠症と診断され,モダフィニル250mgの連日投与で十分に症状がコントロールできる27歳女性の症例を紹介する。彼女は妊娠中および周産期を通じてこの用量を維持したが,ヒト母乳中のモダフィニルの伝播に関する情報が不足していたため,新生児には母乳を与えていない。被験者の母乳サンプルを24時間にわたってさまざまな時間に採取し、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて分析を行った。乳児の相対投与量は5.3%と算出され、母乳を介した薬物透過が懸念される閾値を下回っていた。これは、モダフィニルがヒトの母乳に移行した最初の報告例である。本薬剤は様々な睡眠障害に使用されていることから、今回の結果は、モダフィニルを処方された授乳中の母親へのアドバイスとして活用することができる。

妊娠を希望する女性へ

2019年7月24日更新

テバファーマスーティカル株式会社はこのほど、アメリカで実施中の「ヌビジル/プロビジル(モダフィニル)妊娠登録」の2018年年次報告書の結果を報告しました。その結果、フランスとカナダの保健当局は、妊婦および妊娠を希望する女性はモダフィニルを服用しないようにと勧告しています。データと警告についてはこちらをご覧ください。

報告書には、胎内でこの薬にさらされた子供には、重大な先天性異常やその他の有害反応の発生率が高いことが示唆されています。過眠症財団のMAB会員であるアルヌルフ教授曰く、「モダフィニルを服用した75人の女性のうち、5人の赤ちゃんに異常がありました。これは、何の薬も使わないで自然に生まれた場合の異常児が通常2%であることを大幅に上回るものです。一部の母親は複数の薬物治療を受けており(そのため特定の因果関係の判断が難しい)、異常所見(詳細不明)が赤ちゃんによって異なることを差し引いても、フランス当局は先週、妊娠中のモダフィニルの使用を止めるよう強く勧告したのです。それ以前のデータによると、フランスのデータベースでは、モダフィニル服用を伴う60例の妊娠経過では異常がなく、ドイツのセンターのデータでは、28例の妊娠例のうち、一部(統計的に有意な数ではない)で頭蓋周囲が小さくなっていた以外は、異常児はいなかったため、安全だと考えられていました。フランスの催奇形性研究センター(CRAT)では、この新しい警告に注意するよう呼びかけていますが、現時点では、現在および将来妊娠を考えている方は、モダフィニルの服用を中止することが最も賢明であると思われます。」

薬について心配なことがあれば、必ず医師に相談してください。

参考文献

  1. Robertson P Jr1, Hellriegel ET, Arora S, Nelson M. Effect of modafinil on the pharmacokinetics of ethinyl estradiol and triazolam in healthy volunteers. Clin Pharmacol Ther. 2002 Jan;71(1):46-56.
  2. Pregnancy and Medicine Fact Sheet: Office of Women’s Health

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