第11回患者会リーダー養成研修会
当日の学びを、個人的なメモ書きの内容で恐縮ですが、一部シェアさせていただきます。
プログラム
1月22日(土)
- 13:30 接続(受付)開始
- 14:00 挨拶開始(JPA代表理事)
- 14:05[60分]「難病対策の現状について」
- 15:05 10分休憩
- 15:15[75分]「難病の療養相談について~ピア相談の受け方~」
- 16:30 5分休憩
- 16:35[25分]「30秒で自己紹介」
- 17:00 1日目終了※終了後交流会
1月23日(日)
- 8:30 接続開始
- 9:00[75分]「これからの患者会に求められること」
- 10:15 10分休憩
- 10:25[25分]みんなで討論「私が(の)患者会で挑戦したいこと」
- 10:50 10分休憩
- 11:00[60分]「患者会の三つの役割」
- 12:00 閉会挨拶(JPA代表理事)
当日の参加団体
団体名 | 疾患名 |
CFS支援ネットワーク (jimdofree.com) | 慢性疲労症候群 |
日本ALS協会栃木支部 (arsvi.com) | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) |
いわてIBD(岩手UC・CD患者の会) | クローン病 |
一般社団法人 香川県腎臓病協議会 (kouzinkyou.com) | 慢性腎不全(透析患者の方々や、腎臓移植者・腎不全の方々) |
一般社団法人 全国パーキンソン病友の会 愛知県支部 (愛知県パーキンソン病友の会) (jpda-aichi.jp) | パーキンソン病 |
山梨県難病連 | 山梨県難病相談・支援センター (nanbyou-soudan.jp) | 多発性筋炎 |
あゆみの会(パーキンソン病友の会香川県支部) | パーキンソン病 |
もやの会(moyanokai.com) | もやもや病 |
glut1異常症患者会 | Facebook | grut1異常症 |
全国スモンの会(shokouen.or.jp) | スモン |
NPO法人 愛知県難病団体連合会 (ainanren.org) | 球脊髄性筋萎縮症 |
「患者の生命保険を考える会」(がん全般/全国) 生命保険のことを正しく知り、最大限に活用するために | がんサポート 株式会社QLife (gansupport.jp) | がん全般 |
これからの患者会に求められること
時代の変遷の中で変化した相談の特徴
①医療の事故・ミスの報道 ・医療不信の高まり ・医療側の変化(医療安全対策・コミュニケーションや接遇) ・解決方法の多様化 | ②インフォームド・コンセントの普及 ・病名や予後の情報提供 ・副作用や合併症の事前説明 ・権利意識の台頭 |
③家族の役割や価値観の変化 ・多様な家族の関係(家族以外のキーパーソンも) ・心療内科や精神科のハードルの低下 | ④インターネットの普及による情報化 ・リテラシー(活用する能力)不足 ・難しい自己決定 ・個人情報やプライバシーへの意識の高まり |
最近の相談者の意識と傾向
- 姿勢の二極化(徹底追及⇔遠慮・我慢)
- ドクターへの苦情「対応がいい加減」「話や思いを聴いてくれない」「結果に納得いかない」「説明不足」など
- 情報リテラシー(メディアの報道内容に左右されがち)
- 「相談」より「判断」を求める
患者の課題「理解できていない」
インフォームド・コンセントの普及により、患者にすべてを伝える時代になった。インフォームドコンセント(IC)とは本来「説明すること」。しかし、『患者が決める時代だから』と丸投げされ、詳しい専門的な説明を長時間かけて実施されても、理解できない→理解できなかったことは、記憶に残らない→聞いていない→説明不足、という苦情につながる。
- 漠然と「何がわからないかわからない」
- 理解できない理由の分析はできないが、結果には不満足
- 「理解できていない」=「そんな説明聞いてない」のと同じ
納得いかない結果は不信感につながる。
患者の課題「情報リテラシー」
「素人だから難しいことはわからない」 → ネットに出ていれば誤った情報でも鵜呑み → ネットで情報収集して「わかったつもり」になってしまう、または、そうした自信満々のエセ専門家に踊らされる
賢い患者になりましょう
新・医者にかかる10箇条
あなたが"いのちの主人公”・"からだの責任者"
- 伝えたいことはメモして準備
- 対話の始まりはあいさつから
- よりよい関係づくりにはあなたにも責任が
- 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
- これからの見通しを聞きましょう
- その後の変化も伝える努力を
- 大事なことはメモをとって確認
- 納得できないときは何度でも質問を
- 医療にも不確実なことや限界がある
- 治療方法を決めるのはあなたです
【子ども向け】いのちとからだの10か条
- いのちとからだはあなたのもの
- 食事・すいみん・手洗い――予防が大事
- からだの変化に気づこうね
- お医者さんには自分で症状を伝えよう
- わからないことはわかるまで聞いてみよう
- 自分がどうしたいかを伝えよう
- 治療を受けるときはあなたが主人公
- お薬は約束守って使おうね
- みんな違いがあって当たり前
- だれのいのちもとっても大切
賢い患者…冷静に医療と向き合うための発想の転換
×「病気になる前より良くしてほしい」「いつ完璧に治るのか?」→医療の現実(不確実性と限界)を理解→◎「私の病気は医療の力でどこまで回復できるのだろう?」
過度な期待をしない、でもあきらめない。どんなことなら医療の力を借り、何なら答えてもらえるのか、取捨選択できるようになろう
賢い患者…さらに成熟した患者へ
- 医療にまつわる何かがしたい!
- ・お世話になった恩返しがしたい
・もっと病気や医療のことを知りたい、学びたい
・同じ立場で患者さんの支援がしたい
→「私にできることは何だろう?」
- それが私たち患者会
- 知識を得る、制度・仕組みを知る、課題を学ぶ
→ さらに知りたい意欲の連鎖
→ 協同できる冷静な患者・市民の増加
※自分のからだ・病気への関心や、医療現場への理解が深まると、医療が個人的な問題から社会的な問題へ、意識が変化していく
- 患者力を高める団体になるために
- 医療・福祉について…
・制度・仕組みを理解する
・不確実性と限界を知り、冷静に向き合う
・協同の姿勢を保つ
・利害を超えて考える
・情報伝達(コミュニケーション)能力を高める
患者会の三つの役割
時代と共に社会が変化しても、この基本は変わらない。
- 病気を正しく知ろう→セルフマネジメント
- 病気に負けないように→ピアサポート
- 本当の福祉社会を作るために
当事者性が大切
「当事者」とは、患者本人とその家族のこと。第三者の口を借りて啓発するのではなく、自分自身が実際に体験した出来事を社会に伝えることが大切。当事者が実際に体験した話こそが、人の心を動かす。
それが、私たちが抱えている課題や問題の解決への道であり、これからも同じ病気にかかる方たちの苦痛を少なくする道であり、大きくいえば国(社会)を発展させることにつながる。当事者性を表に出すことは、私たちなりの社会貢献。
楽しくなければ患者会ではない!
患者会はいつもレクリエーションやアトラクションばかり考えていれば良いという意味ではない。
患者会は、唯一病気が同じという共通点があるだけの、年齢・性別・地域、仕事も趣味も違う人たちの集まり→何かを企画しても、皆が同じように満足する事業は無理×
では、何を求めて患者会に入ったのか?なぜ会員を続けているのか?会に、何か心の安らぎを求めたからではないか?会の活動に共感して、自分も何か手伝いたいと考えたからではないか?→その会の運営や会議などが、いつも議論ばかりだったり、ギスギスしたりしていたら、顔を出すのも嫌になってしまう。
ただでさえ大変な毎日、せめて会に参加したときぐらいはほっとしたい。→自分の心が癒されたり、参考になる話が聞けたり、楽しい時間や充実した気持ちになれる→患者会はそういう場を提供できるところでありたい=「楽しくなければ患者会ではない」
著者

- 過度の眠気による不登校・定時制高校を経て、慶應義塾大学卒業後、IT企業入社。Webサイト制作・プログラミング歴10年。集客マーケティングに特化した広報デザイン、Webデザイン、ロゴデザイン技術習得。他、英検準一級の語学力と睡眠健康指導士の知識を活かし、睡眠情報の翻訳等を手掛ける。
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